画帳に広がる山の肖像──水が色彩を白いキャンソン紙に定着させる、必然と偶然の世界。
《厳冬期に訪れた北の山・凍る地平や海原、アルプスの短い夏、足繁く通ってきた八ヶ岳・甲州・信州、その他あちこちの静かな山……静謐な時の流れが、色彩となって画帳のなかに佇む。》
前作・画文集『心に映る山』から8年、この間に著者は日本各地の山を訪ね歩き、山の肖像画ともいえる水彩画を描いてきました。月日の経過と共に趣きを深める鉛筆の線・水彩絵具の滲みが、コデックス装ならではの本の開きの良さと相まって紙面に美しく広がります。
1958年、横浜生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒。山は三十代より始める。卒業後より横浜を主に個展、グループ展多数。八ヶ岳南麓の日野春アルプ美術館にて三年ごとの個展六回。御茶ノ水「穂高」喫茶店、甲斐大泉ペンション「ロッジ山旅」などに作品展示。白山書房季刊誌『山の本』画文連載、挿絵担当。2001年より「山の絵」カレンダー制作。日本山岳会会員。横浜在住。
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