秩父山地の源流を遡行して最初の一滴を掬い、東京湾まで歩いて踏査した渾身の紀行ルポ。奥秩父の甲武信ヶ岳から東京湾まで、真ノ沢を源流に173キロ、関東平野を貫いて海に至るのが荒川。流域は山岳信仰、歴史地理、民俗、祭りなど文化遺産の宝庫だが、荒ぶる川の名のように、洪水の歴史もある。利根川と荒川の流路付け替え、荒川放水路(現荒川)の開削も江戸、東京を守るためだった。もし想定外の災害が河口に広がる東京を襲ったら、首都の機能は? 東京ゲートブリッジに立つと、一本の川から様々なことを考えさせられる。(写真約300点と詳細な5万分図22点を掲載)
1932年3月、東京生まれ。早稲田大学文学部史学科卒。藪山から雪山まで幅広く自然に親しみ、とくに歴史と風土に根ざした人間の生活を求めて内外の山に登り旅をつづけ、紀行を書く。NHK文化センターの講座から生まれた中高年の山のクラブ・青い山の会、日本山岳会、武蔵野文化協会会員。
主著に『武蔵野の散歩みち』山と溪谷社、『伊豆七島歴史散歩』創元社、『幻の人車鉄道』河出書房新社、『箱根・湘南・三浦半島』『温泉ハイキング』『東京江戸を歩く』『奥多摩奥武蔵の山々』『奥多摩奥武蔵・日帰り山歩き』以上実業之日本社、『関東の名山』『関東日帰り湯けむりハイク』以上ゼンリン、『キリマンジャロの石』現代旅行研究所、『モロッコの風』白山書房のほか、山、旅、歴史関係の編著、共著多数。
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