一日中誰にも会わない山路がここにある。メインの「紀行」二十四編は、読者が自分の山を探すための楽しいヒント。が、もっとずばりは「静山案内」、地形図もコースタイムも付いている。「フォトギャラリー」は、写真家でもある著者長年の山の写真の集大成。さらに「火をおこそうと」は極寒のアラスカで焚火する短編小説の翻訳、登山者にとっては目から鱗になるに違いない。
1934年埼玉県の田舎に生まれる。1956年東京教育大学(現筑波大学)卒業。以後1994年まで県立高等学校の英語および書道担当教員。その間、川越高等学校において10年余り山岳部顧問を務める。県美術展覧会に山岳写真を出品、特選二回受賞。個展二回開催。1947年から40年余りにわたって書家の父春川の芭蕉さながらの書道行脚の助手として国内津々浦々を訪ね、自然観照の眼を養う。山登りは就職と同時に始め、静かな山が好み。厳冬期玉山、アラスカのチュガッチ山群にも遠征。日本山岳会会員番号五八七三。著書は『わが山路』『山おちこち』のほか、書関係に『春川の書』『奈良平安の落葉』がある。先祖から埼玉県東松山市下青鳥に居着く。
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