画家であるモリカズを父にもつカヤさんの20代、30代の血気盛んな半生を描いた画文集。山のとりこになり、結婚してから白馬山麓にスキー小屋を経営し、登山と山スキーにうつつをぬかしながらも山で絵を描く人生。一人で針ノ木峠から穂高まで歩いたり、滝谷で登攀中でもスケッチしたり、仲間と知床の山を這松こいで縦走したりと、大自然の中に身をおく日々を送る。だが、やがてダンナとの別れの時がくる。カヤさん曰く、「私は関東ローム層の片隅の水溜りに産みつけられたオタマジャクシだ」。
【絵】カラー10点、モノクロ51点
1929年 画家・熊谷守一の二女として東京に生れる。
1954年 大阪の梅田画廊でのはり絵の個展をはじめ、中央公論社画廊、日動画廊、名古屋の丸栄百貨店でも個展を開く。
1970年 はじめて画文集を出版。
1974年 新宿の小田急百貨店で油絵展を開き13年続ける。
1978年 「守一最後の十日間展」を開催。彫刻・陶絵もはじめる(2001年には石彫も手がける)。
1980年 この年より、みずさわ画廊で油絵・水彩・陶絵の個展を15年ほど続け、後に、札幌・北上・山形・下関・高山でも個展を開き200回を超える。
1985年 父の旧居に「熊谷守一美術館」を創設。このギャラリーでの個展を毎年開催。
2007年 豊島区に守一作品を寄贈し、「豊島区立熊谷守一美術館」になる。
日本美術会々員、日本山岳画協会々員。
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